アンチワーク哲学【ホモ・ネーモ】

労働なき世界を目指すアンチワーク哲学について解説するブログです。

むかしむかし、まだ労働がなかったころ

お金も、国家もなく、みんなが好きなように耕し、好きなように家を建て、好きなように道をつくり、好きなように分け合い、好きなように食べ、好きなように歌い、好きなように眠っていた街がありました。 誰かが誰かに命令するようなことはなく、みんなが好き…

逆に労働を撲滅しないで、どうやって世の中を成り立たせるの?

少子高齢化。環境問題。格差。貧困、いじめ。パワハラ。セクハラ。ブラック企業。医療。犯罪。介護、保育、建築、農業、林業、漁業などエッセンシャルワーカーの人手不足や高齢化。資源の枯渇。 こうした問題は抜本的な解決が図られることなく、常に将来世代…

子育て問題解決のためのアンチワーク哲学

「異次元の少子化対策」という政府の号令も虚しく、少子化、保育士不足、ワンオペ育児、こうした問題が解決される見通しは一向に立たない。僕自身も1歳と4歳の子を育てる親としては、明らかに子どもへの風当たりが強い社会に変わっていることを痛感する。こ…

アンチワークのためのベーシックインカム論

※以下の書籍の前身記事。詳細はこちらを読んでみてください。 https://amzn.asia/d/5RxMtRb 先日、ベーシックインカムは「アホっぽい」という理由で否定されがちであることを指摘した。 とはいえ、僕はベーシックインカム至上主義者である。BIはアホが思い描…

労働が生まれた日

経済は物々交換から始まった。万人による闘争を抑え込むために人々は国家という社会契約を結んだ。人間は農業という禁断の果実をかじった結果、狩猟採集生活というエデンの園から放り出された。 こうした神話は想像によって生み出されていて、実際の根拠はな…

行為と労働に関する考察

先日書いた記事にとある質問をいただいたことが、この記事の執筆のきっかけである。 僕はベーシックインカムが実現した未来の世界において、金の必要性に関しての議論が活発化すると見込んでいる。即座に金が廃絶されるとは思わないものの、金が本当に必要か…

「役に立つ」という概念を転換する

「役に立つ」とはなにか? 究極的には「誰かの喜びを増やすこと」であり「誰かの悲しみを減らすこと」であるはすだ。 農家とは役に立っている仕事の代表例なわけだが、美味しい食べ物を提供することで僕たちを喜ばせている(または飢えという苦しみを減らす…

アンチワーク哲学による通俗的性悪説批判

■性善説と性悪説はどちらも信仰 人は本質的に善か? それとも悪か? この問いについて古今東西で万巻の書物が記され、議論されてきた。しかし、決着はついていない。 当然だ。この問いに答えることは信仰告白なのだから。人は明らかに善行も行うし、悪行も行…

アンチワーク哲学による行為と欲望の考察

■人が欲望するもの 可愛い子どもとは誰だろうか? よく大人の言うことを聞く子? 勉強ができる子? お手伝いをする子? いや、究極の愛されっ子の特徴は、よく食べる子である。 このこと自体、私たちが人間に対して抱いている常識とは思いっきり矛盾する。人…

金のない世界は可能か?

金というものに対する考察をもう少し深めてみたいと思う。というのもアンチワーク哲学では、ベーシックインカムののちに金を撲滅することを目指しているが、BIに関する議論は盛んにおこなっているものの、金の撲滅についてはあまり語っていないからだ。 まず…

あらゆる行為は命令により労働化する

「塩を取ってくれる?」と言われたとき、あなたならどうするだろうか? あなたが常識的な感覚の持ち主ならば、断ることはないだろう。 しかし「おい、塩を取れ」であったならどうだろう。あなたが常識的な感覚の持ち主ならば、「はぁ?お前しばいろか?」と…

労働とはなにか?

山内昶『経済人類学への招待』によれば、オーストラリアのイール・イロント族は「遊び」と「労働」を、メキシコのタラフマレ族は「働く」と「踊る」を、同一の言葉で表現しているらしい。 経済人類学への招待―ヒトはどう生きてきたか (ちくま新書)amzn.asia …

アンチワーク哲学とはなにか?

■はじめに ただ単に労働しないのではない。ただ単に怠惰なのではない。 労働とは罪であり、悪であると証明すること。そして、労働しないことを全面的に肯定し、実践すること。 その営みこそがアンチワーク哲学である。 これは世に存在するアンチワーク系の思…